[アップデート] Amazon Location Service でシンガポールリージョン限定のプロバイダー GrabMaps が追加されていました

[アップデート] Amazon Location Service でシンガポールリージョン限定のプロバイダー GrabMaps が追加されていました

Clock Icon2023.03.16

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いわさです。

先日 Amazon Location Service で新しいマップ Open Data が GA となったアップデートを紹介しました。

この時、「第 3 のプロバイダーだー」とドキュメントやコンソールを確認していたのですが、実は第 4 のマッププロバイダーがいつのまにか登場していたことを知りました。
みなさん知ってましたか?

実は今年 1 月に第 4 のプロバイダー GrabMaps が登場していました。
アナウンスは以下です。

こちらのマッププロバイダーはちょっと今までと変わっていて、シンガポールリージョンでのみ利用が可能です。そして提供されるマップはなんと東南アジアのみです。

今回少し触ってみたので紹介します。

提供元

背景や事情などについては上記 AWS 公式ブログでも紹介されています。
以下引用です。

GrabMaps とは

Grab は当初、配送の計画と実行をサポートするために、サードパーティのマッププロバイダーに依存していました。しかしすぐに、グローバルなマッププロバイダーでは、東南アジア地域の頻繁な変化や特定のニーズに対応できないことに気づきました。そこで、彼らは 2017 年に GrabMaps の構築を開始しました。

GrabMaps はその後、Grab の主力商品である Grab Superapp(東南アジアの食品、食料品、荷物の配送、ライドシェアサービスをワンストップで提供するサービス)を支えるまでに成長しました。GrabMaps は、小さな路地や分譲地の存在、ナンバープレートによる車両制限、東南アジア特有の交通手段など、地域特性を考慮した独自のアプローチでデータを取得しています。また、Grab の消費者、加盟店、ドライバーや配送パートナーのフリートを活用したコミュニティベースのマップ作成戦略を採用しています。GrabMaps は、何百万もの注文や乗り物から毎日更新される情報を受信、分析、検証し、道路閉鎖やビジネスアドレスの変更などに関するパートナーからのリアルタイムなフィードバックを提供します。また、ドライバーや配送パートナーは、POI(Point of Interest)、道路画像、道路名、交通標識の位置などの位置情報を提供するインセンティブを与えられています。これにより、GrabMaps は正確性、カバー率、鮮度の面で高品質の地域マップデータを提供することができます。

マップ

東京リージョン

まず、比較のためにシンガポールリージョン以外の表示を確認してみます。
東京リージョンでは次のように、Esri、HERE、Open Data がマッププロバイダーとして選択出来ました。

シンガポールリージョン

シンガポールリージョン(ap-southeast-1)に切り替えて見ましょう。

Grab が追加で選択出来るようになっていますね。
Esri や HERE などの他の商用プロバイダーや Open Data も使うことが出来ます。

Grab で選択出来るマップスタイルは 2 種類のようです。
Grab Standard Light と Grab Standard Dark が選択出来ました。

前述のとおり東南アジアに特化していたプロバイダーということで、より詳細で正確で最新な情報が提供されているようです。
ただ、比較方法がわからない。

Grab では東南アジア特化ということで以下の国がカバーされています。

  • マレーシア
  • フィリピン
  • タイ
  • シンガポール
  • ベトナム
  • インドネシア
  • ミャンマー
  • カンボジア

では上記以外の国はどうなるのでしょうか。

サポートされていない国の地理データは表示されない

例えば日本。
これらについては何も地理データは表示されません。

厳密にはマップのズームレベルが低い場合は地形のアウトラインだけ表示されますが、少しズームインするとマップタイルが取得されなくなります。
これは境界でいうと以下がサポート範囲となっているとのことです。

  • 緯度:-21.943045533438166 ~ 31.952162238024968
  • 軽度:90.0 ~ 146.25

そのため、グローバルにサポートする必要があるアプリケーションの場合は GrabMaps の採用は出来ません。
東南アジアに限定したアプリケーションであれば、ローカルに限定はされてしまうがグローバルサポートされたプロバイダーよりも正確なデータが提供出来るというものです。

マップ以外の機能も利用可能

Open Map はマップのみ利用可能でしたが、GrabMaps の場合は Esri や HERE など他の商用プロバイダーと同様にプレースインデックスやルート計算ツールのデータプロバイダーとして利用することが出来ます。

ルーティングのトラベルモードについては国や都市ごとにサポート状況が違うようですのでご注意ください。

また、車とオートバイのルーティングはサポートされている国で利用可能ですが、トラックルーティングについてはサポートされていません。
自転車と徒歩のルートは、次の都市のみがサポートされています。

  • シンガポール
  • ジャカルタ
  • マニラ
  • クランバレー
  • バンコク
  • ホーチミン市
  • ハノイ

詳細は以下の公式ドキュメントもご確認ください。

さいごに

本日は Amazon Location Service でシンガポールリージョン限定のプロバイダー GrabMaps が追加されていたので紹介させて頂きました。

東南アジア向けのマップソリューションを開発する機会があれば是非利用を検討してみたいですね。

また、地図データの特性上ローカル特化したデータプロバイダーというのは非常におもしろいですね。
日本版のローカルプロバイダーも需要あるのではと思いました。

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